8月24日【校長室だより】第2学期始業式

 いつになく短い夏休みが終わり、今日からは2学期です。放送による始業式で、校長から次の話をしました。

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 みなさん、体調はいかがでしょうか。まだまだ暑さの残る中、感染症にも気を遣いながら始まった2学期です。決して無理をせず、調子が悪ければ、休息をしっかり、とってください。
 健康であること、無事であることが、毎日の暮らしを支えています。つくづく、そう思います。

 さて、いつもより短めの夏休みでしたが、その中でも、今できることを、一生懸命に取り組む姿を見ることができました。
 野球部のみなさん。チームとしての経験が少ないにもかかわらず、強豪を相手によくがんばりました。試合が終わったあとも掃除をしていたマネージャーさん、ごくろうさまでした。
 管弦楽部のみなさん。とても心のこもったアンサンブルでした。お客様を招くことはできませんでしたが、お互いの音をしっかり聴きあいながら、今できる一番いい演奏をしようとする姿勢がすばらしかったです。
 美術部のみなさん。素敵な黒板アートをみせてもらいました。まだ、みなさんにお披露目できないのが残念ですが、チョークだけであれほどの絵がかけるなんて、驚きの一言です。
 今お話ししたのは、夏休み中の活動の、ほんの一部です。教室で、グラウンドで、体育館で、それぞれが、今できることに一生懸命取り組んでいたことと思います。

 さて、みなさんは、「守・破・離」という言葉をご存じでしょうか。「守」はまもる、「破」はやぶる、「離」ははなれる、という漢字を書きます。
 私が最初にこの言葉を聞いたのは、剣道の修業についての話でした。初めは、先生から教えられた型を、その通り「守」ることから始まる。次に、自分に合ったより良い型を探り、試していくことで、それまでの型を「破」る。さらに鍛錬を重ねることで、型から「離」れ、自由になることができる。そんな内容でした。
 調べてみると、この「守・破・離」という言葉は、剣道だけでなく、武道や芸事を学ぶ心得として、よく使われるもののようです。
 歌舞伎役者の中村勘三郎さんは、「型があるから型破りになれる。型がなければ形無しだ」と言っていたそうですし、指揮者の小澤征爾さんが若い頃指揮を習った、斎藤秀雄という先生は、くりかえし「型から入り、型から出ろ」と言っていたそうです。
 何をするにあたっても、まず基本となる「型」を身に付けるのは大切なことです。どんなことでも、初めは教えられたとおり、しっかりできるようになることが上達への第一歩。そういわれたことのある人も、多いことでしょう。確かにそのとおりだと思います。「まなぶ」という言葉は、「まねぶ」、まねをする、ということばからきている、とも言われます。
 ひとつ、勘違いしてほしくないのは、教えられた通りできるようになることが目的ではない、ということです。教えられたとおりに型を「守」るのは、次にそれを「破」るためです。最後に型から「離」れ、自由になるためです。

 勉強でも、スポーツでも、芸術活動でも、今のみなさんにとって大切なことは、「守」、まずは、型を守ることができるようになることです。
 しかし、その先には型を「破」る段階があります。そして最後は、型から「離」れ、自由になることを目指してほしいと思います。
 言われたこと、指示されたことだけをやっているのでは物足りないというのは、そういうことだと、私は考えています。

 大宮光陵高校のみなさんは、何事も誠実に、一生懸命取り組むことのできる人たちです。その取組が、いずれ、先生から教えられたことを離れ、自分にしかできない何かにつながることを、私は期待しています。

 まだまだ、暑い日が続きます。
 まずは健康であること。無事であること。その中で、教えられたことから離れるために今、学んでいるのだということを、意識してください。