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校長ブログ(令和6年度)

令和6年度全国書道高等学校協議会30周年記念大会閉会式理事長あいさつ

 皆様、昨日からの二日間、お疲れ様でした。

 昨日は開会式と宮田先生のご講演を頂戴し、今日は朝から研究会、鑑賞会と進めてまいりました。今大会は、初めて生徒の皆さんの参加がありましたが、生徒の皆さん、いかがだったでしょうか。

 研究会では、生徒さんや先生方の興味深く、大変素晴らしいご発表をお聞かせいただきました。ご発表くださいました生徒のみなさん、先生方、ありがとうございました。

 私は、美術が専門で、書道には詳しくないのですが、今大会を通して感じたことをお話しします。

 書道は、文字の意味からイメージが広がり、自分の創造力次第で作品 の深みも味わうことができるということ。それから、文字の線の強弱や勢い、流れなどの携帯からムードを感じ取ることができるということ。そこに、作者との臨場感が生まれるような気がしました。そしてなにより、こうしてみたいとか、もっと良くしたいなど、意欲的に自ら行う行為であるということを実感しました。

 これからの世の中、生成AIの進歩で、人間のできることはさらに少なくなってくると予測されています。しかし、書道は不滅だと思いました。なぜなら、私自身が字を書くという行為は、AIにとって代わることは絶対にありえないことだからです。今大会で書道の素晴らしさと魅力について私は再認識できました。そこで皆さんにお願いがあります。この書道の素晴らしさを日本のみならず世界に発信してくれたらと思います。よろしくお願いします。

 これにて記念すべき30周年大会が閉会となりますが、来年度の大会で、また皆様とお会いできることを楽しみにしております。

 皆様のお陰を持ちまして、今回は大変有意義な記念すべき大会となりました。ありがとうございました。

 むすびに、皆様に深く感謝申し上げ、あいさつと代えさせていただきます。

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令和6年度全国書道高等学校協議会30周年記念大会開会式理事長あいさつ

 皆様こんにちは。全国書道高等学校協議会理事長、埼玉県立大宮光陵高等学校長の矼でございます。本日は、ご多用のところ、ご参加くださいましてありがとうございます。全国書道高等学校協議会創立三十周年にあたり、主催者を代表して一言ごあいさつ申し上げます。

 本日、文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官 豊口和士様をはじめ、大東文化大学書道研究所事務長 島田佳範様、NPO法人世界芸術文化振興協会理事 中村明彦様のご臨席を賜り、関係の皆様方と記念大会を盛大に開催できますことは、大きな喜びであり、嬉しく存じます。

 さて、本協議会は、平成七年度に全国芸術高等学校長会に書道小部会が設置されたことに伴い、全国書道高等学校協議会として全国組織の歩を開始しました。このときの加盟校は七校でしたが、地道に活動を積み重ね、先人の皆々様のご尽力によりまして、本年度三十年目を迎え、加盟校も十八校となりました。

 もとより、本協議会の目的は、書道教育の諸課題についての研究・協議、会員相互の研修、情報交換などを通して、高校書道教育の振興に寄与することにあります。この目的を達成すべく、全国大会を毎年開催し、公開授業、研究協議などに積極的に取り組み、その研究の成果と具体的な実践事例を研究紀要として取りまとめ発行してまいりました。

 これらの活動は、高等学校書道教育を牽引するものであり、また、書道を学ぶ高校生の資質・能力の向上に大きな貢献をしてきたと自負しております。

 この間、本協議会が最も重要視して取り組んできたことは、高等学校学習指導要領において「主として専門学科において開設される各教科・科目」に、音楽、美術と同じく、教科として書道を位置づけることであります。書道は、我が国や周辺諸国の歴史や文化に根ざし、世界がその価値を認める誇り高き芸術です。専門的な学習を通じ、自らが書の伝統と文化を継承し創造しようとする心豊かな逞しい人材の育成は、学習指導要領において強く求められており、今後も不変であると考えます。

 この度の創立三十周年記念大会が、本協議会加盟校の教育課程に即した実践を教員、生徒ともに共有する機会とし、本協議会を中心とした各都道府県における高等学校書道教育が益々振興・発展していくことに大いに期待しております。

 結びとなりますが、日頃より、全国書道高等学校協議会の活動に、ご理解、ご協力をいただいている方々に深く御礼申し上げますとともに、ご後援をいただいた文化庁様、公益社団法人全国高等学校文化連盟様、高等学校文化連盟全国書道専門部様、ご協賛いただいております大東文化大学様、NPO法人世界芸術文化振興協会様をはじめ、多くの教育関係機関、諸団体、関係の皆様方の多大なるご支援、ご協力に厚く感謝申し上げ、私からのあいさつとさせていただきます。

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体育祭校長あいさつ

 皆さん、おはようございます。ちょっと空を見てください。体育祭日和となりました。

 ここ数日の天候不良で、予定を変更し、どうなることかと心配してきましたが、今日は天候に恵まれ、体育祭の本番の日を迎えることができました。

 体調は万全ですか? 準備はOKですか?

  今日は自分の肉体の限界まで、力を出し切ってみてください。一所懸命に取り組む人の姿はかっこいいいし、感動を呼びます。光る汗さえ爽やかに感じられるはずです。

 とはいえ、張り切り過ぎて、いきなりレッドゾーンの極限値まで爆上げてしまって、

くれぐれも怪我の無いようにしましょう。そのために、十分に準備運動をしてください。

  それから、今日の日のために、体育委員会や運動部の生徒の皆さんが中心となって準備してくれました。そして、各運動部、各委員会のたくさんの仲間と、本番の運営まで頑張ってくれます。ありがとうの気持ちでいっぱいです。

 今日までご指導いただいた体育科を始め、体育祭の準備に、運営にと、ご尽力くださった先生方に、深く感謝申し上げます。

 また、保護者の皆様におかれましては、朝早くからご来校いただき、ありがとうございます。厚くお礼申し上げます。熱い応援を是非よろしくお願いします。

 さて、3年生の皆さんにとっては高校生活最後の体育祭となりました。ひょっとしたら人生最後の体育祭になるかもしれません。おもいっきり駆け抜けて、思い出に残る楽しい体育祭にしてください。1・2年生の後輩たちに、先輩のすごいところを見せつけてやってください。そして、来年度の体育祭のハードルを上げちゃってください。

  それともう一つ別件で、「暑さ対策」に係るお願いがあります。競技や応援に熱中するあまり、熱中症にならないように注意してください。

 冷静に自分の健康状況を把握し、休憩と水分補給、過度の運動を控えることなどに注意してください。もし体調に不安を感じたら、すぐに周りの人に声を掛けましょう。また、もし様子が変だなと思う人が周りにいたら、すぐに声を掛けてあげてください。

  では、今日は自分の持てる力を精一杯発揮し、これまでの練習の成果を見せてください。みんなにとって最高の体育祭となることを期待して、開会のあいさつとします。

 

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スピーチコンテストあいさつ

Hello, and good morning, everyone. The day of the speech contest  has arrived. Before we begin, I’d like to say a few words.

I want to express my gratitude to the teachers who helped prepare for today and provided guidance.

To the 16 speakers  who will take the stage,you have worked hard  up until today.  I hope  all of you  shines brightly.

I’m sure  you can express  what you want to say clearly and with heartfelt emotion.

And to everyone gathered here today:I think  of this contest  not as a competition,but as an opportunity  to refine our communication skills in English.

I believe  this is a wonderful chance for everyone to understand different cultures through learning English.

Listen to your friend’s speeches and learn something meaningful for yourself.

I am looking forward to seeing the moments where your creativity  and passion  shine.

 

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光陵祭開会式の校長あいさつ

 みなさんおはようございます。待ちに待った光陵祭当日となりました。みんなさん準備は万端ですか? 今年のテーマは、Beyond (ビヨンド)、~を超えて、とか、~の向こうに、とか、~のかなたに、などや、それから、非常に~、とか、超~、などの意味がありますよね。

 副題に ~輝く未来のその先へ~ とあって、イメージが膨らみますね。自分とこの世界の未来のかなたに希望を持って、よりよい理想の社会を想像して、そして、それを見つめ続けていく。そんなイメージを私は持ちました。

 今日と明日、後悔のないように、この二日間を思いっきり楽しんでください。楽しむことをたくさん経験した人の未来は、きっと輝きが増すだろうと私は思います。そのかわり、楽しむためには楽はできません。同じ漢字表記ですが。楽しむためには、情熱と能動的な態度といくばくかの努力が必要となります。

 今しかない何かがあるはずだから、それを大切にしてください。

 それから、光陵祭は、みんなで力を合わせてつくり上げるお祭りです。生徒会本部役員、実行委員、クラスや部活、有志の代表の皆さんが先頭に立って頑張って、みんなを引っ張ってきてくれました。最後までみんなで手を取り合って、協力して、一生の思い出に残る素晴らしい光陵祭にしてください。

 今年の光陵祭が、楽しさで、去年を超えることを期待しています。

 私からは以上です。 

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2学期始業式 校長の話

 皆さん、改めましておはようございます。さて、夏休みが終わり、今日から新学期が始まります。夏休みはどうでしたか。有意義に過ごすことはできましたか。

 この夏休みにはパリオリンピックがありました。外国開催のオリンピックでは、かつてない数の金メダルを日本は獲得し、海外開催では最多の20個の金メダル。金メダルの数は、アメリカ、中国に続いて三番目の成績となりました。すごーい、すごく嬉しいと感じました。

 サッカーやバレーボール、バスケは残念でしたが、柔道やレスリン グ、馬術やフェンシングの健闘に感動しました。近代五種競技や乗馬のおじさんたちの活躍、スケードボード、クライミングなど、眠い目を擦って応援しました。特に男子の体操には感動したなぁ…。 

 一方、ブレイキンのシゲキックスがメダルを獲得できなかったのが、どうしようもなく納得できない。なんでーって…。

 ところで、オリンピックのメダリストのインタビューを聞くと、家族やスタッフへの感謝の言葉と、このパリオリンピックまでの長い年月を一つのことに打ち込み、自身の全てを注ぎ込んで努力してきたことを耳にします。四年間を、自分の納得のいく結果を獲得するために、さぞやストイックに生活してきたんだろうな〜…と、思いました。

 さて、三年生の皆さんは、大学受験の勉強は捗りましたか? 有意義な夏休みを過ごせましたか。最終学年として半年後に卒業を控えました。オリンピックのアスリートは四年間、目標に向かって努力しました。三年生は、大学受験など、希望の進路実現という正念場まで半年を切りました。ラストスパートに突入する時期となっています。努力を重ね、応援してくれる家族や周囲の人々の期待に応えて、合格という金メダルをぜひゲットしてください。

 それから別件で、この夏休みはメディアで嫌な話題もありました。他者を傷つける投稿や発言は悲しいものです。言われない誹謗中傷を突然に受ける人の気持ちはどうでしょう? 心の傷の深さは、なかなか目に見えません。

 自分の不用意な発言によって、その人と周囲の人々が、どのような気持ちになるのかということを、しっかりと想像力を持って考え、行動しなければならないと戒めましょう。普段の人との会話はもとより、SNSの使い方には十分に配慮と注意が必要です。他者の心情を深くくみ取って行動できるようになることが、それが、大人になることかもしれないと、私は思います。

 それはそれとして、いよいよ始まったこの二学期は、まずは文化祭、そして体育祭と大きな学校行事を控えています。一年生にとっては初めてのイベントです。文化祭の準備はどうでしょうか?

 今年は大規模改修でなかなか例年通りの準備ができなかったという生徒もいたと思います。でも、いよいよ校舎の改修が全て完了して、既にエアコンも最新式のものにリニューアルしました。快適な学習環境を用意しています。

 後悔のないように思いっきり学び、楽しんでください。二年生はなんといっても修学旅行があります。一生の良い思い出をつくってください。楽しい二学期を期待しています。

 わたしからは以上です。

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学校説明会 8月9日(金) 校長あいさつ

 皆様こんにちは。校長の矼でございます。本日はご多用のところ、またお暑い中、大宮光陵高校の学校説明会にご参加くださいまして、誠にありがとうございます。私から一言、ご挨拶申し上げます。 

 さて、もとより本校は、普通科の他に音楽科、美術科、書道科の三つの専門学科を併設し、普通科には外国語コースを設置する県内外を見渡しても全国的に極めて稀な、芸術教育と国際理解教育を併せ持つ、大変特色のある高校です。

 開校は昭和61年、今年で39年目を迎え、来年度は創立40周年としての節目の年となります。数年前から校舎の大規模改修工事を進めておりまして、普通教室棟と管理棟は昨年度までに完了しました。この夏休み期間に現在進行中の芸術棟の改修工事が完了しますと、全ての校舎のリニューアルが終わります。

 既に工事が完了している普通教室棟は、校舎の外側も内側も新築のようにきれいになっています。教室の壁も廊下も天井も新しくして、エアコンも今年最新式の機器に刷新しました。室内の照明はLED化し、トイレも新しくなっています。自動照明やウォシュレットなども備えられ、快適な学校生活を送ることができます。

 また、校舎がリニューアルして気持ちがいいだけでなく、芸術棟の施設・設備の充実ぶりが大きな自慢です。県内はもとより、全国的にもめったにない特別な教室と機材などが備えられています。

 とはいえ何と言っても本校の自慢と言えば、やはり生徒です。是非、生徒を見てほしいと思います。素直で明るく、そして優しく、しかも爽やかで快活な生徒ばかりです。この説明会の冒頭に、ダンスと本校の部活動紹介の動画をご覧いただきましたが、実際に本校でいつもの生徒の様子を見ていただければ、光陵高校がどんな学校なのかがすぐにご理解いただけると思います。

 動画でご覧いただいたように、各学科の生徒が、学校行事や部活動、その他の活動で相互に交流し、刺激を受け合って、互いにリスペクトながら、相乗効果の効いた学習環境で学校生活を送っています。

 それからもう一つの自慢は先生方です。生徒の学習意欲を高めるために様々な工夫を凝らし、教材研究や授業づくりに余念がありません。毎日、生徒の興味関心の惹く、楽しい授業を実践しています。それだけではありません。部活動の指導にも熱心に取り組んでいて、毎年全国規模の大会や展覧会、演奏会で輝かしい成果に導いています。

 ちょうど約一月後の9月7日の土曜日に本校の文化祭「光陵祭」を開催します。きっと、今お話ししたことを実感していただくことができると思います。是非ご来校ください。校内に飾られた美術科や書道科の作品をご覧いただき、音楽科生徒の奏でるプロ級の演奏をご堪能ください。本校の良さや魅力を感じ取っていただけたらと期待しています。

 ところで、みなさん、受検勉強は捗っていますか? 先日から、パリオリンピックが始まり、日本人選手の嬉しいニュースが連日報道されています。残念な結果となってしまった競技もありましたが、試合後の選手のインタビューの言葉は、私たちが生きる上での大切な示唆を与えてくれます。家族や支えてくれたスタッフへの方への感謝の気持ちや、パリオリンピックまでの4年間を、一つのことに打ち込み、どれだけ頑張って来たのか、それを感じ取ることができます。高校受検の勉強も同じだと私は思います。自分の努力はもちろんですが、支えてくれる人や応援してくれる人の期待にも応えようじゃありませんか。オリンピックは四年に一度ありますが、高校受検は一生に一度です。自分の将来のための頑張りどころです。

 学力検査のその日まで、まだ半年以上あります。今はなかなか成績が上がらない気がしても、こつこつやっていくと、受験の直前に急激に学力は伸びたりします。自分を信じて目標に向かって頑張ってください。皆さんの合格という金メダルを、心から願っています。

 結びになりますが、来年度、本校は40周年ということで、ここにいる中学三年生の皆さんが来年度本校に入学すると、皆さんはもれなく、第40期生として記念すべきメモリアル新入生になります。来年度の入学式は、お祝いムードで大歓迎まちがいなしです。

 是非、本校へのご入学をご検討いただけたらとお願いします。

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令和6年度第1学期終業式 校長の話

 皆さん、おはようございます。明日から夏休みになります。夏休みを楽しみにしている人は、少なくはないと思います。合宿があったり、思う存分に部活動ができたり、旅行に行く人もいるかもしれませんね。私も楽しみです。普段の生活ではなかなか味わえないことを、体験できるチャンスがあると予感できるからです。しかし、遊んでばかりいるわけにはいきません。夏休みを有意義に過ごすことによって、人は大きく成長します。肉体的にも精神的にも、学力においてでもです。たったひと夏で身長が数センチも伸びた経験のある人もいるでしょう。きっと学力も同じで、このひと夏を計画的に、効果的に、有効に過ごすことによって、大きく伸びるはずです。

 では、なぜ、学力を伸ばし、高めるのか?それは、学力を高めれば、卒業後に自分が行きたい大学などの選択肢が増えて、将来の可能性が広がるからです。もちろんそれだけのことではありませんが、これからの長い人生を展望し、将来、自分がどのような大人になっているかについて、夢を描いてください。10年後、20年後の自分は、どうなっているでしょうか。

 そこで今日は、今から20年ぐらい先の、未来のこの世界がどのようになっているか、ある発明家の予測について紹介します。その発明家というのは、レイモンド・カーツワイル(一般にはレイ・カーツワイル)というアメリカ人の、今は76歳のおじいちゃんです。発明家であり思想家、実業家、未来学者でもあります。

 彼は1990年に、当時世界に2600万人ほどのインターネットユーザーしかいない時代に、「検索エンジン」の登場を予測しました。これは、5年後の1995年に「Yahoo! Inc.」が、7年後の1997年に「Google」が設立され実現しています。また、「2000年までにコンピュータがチェスの世界王者に勝利する」と予測し、こちらも1997年にIBM社のスーパーコンピューター「Deep Blue」により実現しています。その他数多くの未来予測をしています。人によっては彼の予言は60%程度の確立の的中率だという人もいます。ですが6割は当たっているということです。

 このレイ・カーツワイルさん、今から19年前、皆さんが生まれる少し前、ちょうど私がこの光陵高校に勤務していたころ、「シンギュラリティ論」というのを発表しました。何その「シンギュラリティ」って? 漢字だと「技術的特異点」と表記します。その15年後の2005年、ちょうど生徒の皆さんが生まれた頃、彼は、40年後のこの世界が、テクノロジーによってどうなっているかについて予測したんです。「AI(人工知能)が人間の知能を超えるシンギュラリティが、2045年に到来する」と、そのシンギュラリティとは何か?

 それは、AIが自ら人間より賢い知能を生み出すことが可能になる時点を指す言葉で、もう人間にはAIを賢さで追い越すことは絶対的に無理だということを意味します。AIが自己増殖する世界です。人間の想像を超越して社会が進化していくと予測しています。

 ちなみに、レイ・カーツワイルが検索エンジンっていうのが発明されるぞといった頃の1990年ごろ、今から34年前のパソコンはこんな感じでした。【画像1】 その頃のパソコン画面はこんな感じでした。【画像2】 それが今じゃ、小型化、無線化のみならず、各機能や利便性が向上しています。飛躍的に進化しています。【画像3】

 それでは、ここでテクノロジーに関する質問です。発明されてから世界でユーザーが5千万人になるまでにかかった年数は?

 電話?→50年。

 ラジオ?→38年。

 テレビ?→22年。

 インターネット?→7年。

 ツイッター(X)?→2年。

 LINE?→399日。

 ポケモンGO?→19日。こんな風にテクノロジーの成長の早さを俯瞰することができます。

 では、チャットGPTは?これはユーザー5000万人というデータが見つからなかったので、参考までです。→2か月。

【グラフ1】このグラフを見てください。縦軸がテクノロジーの性能で、横に時間軸となっています。

 学力や技術の成長を、私たちは定数的に伸びていると思い勝ちですが、さっきの質問の答えから明らかなように、急速なものとなっています。テクノロジーの進化は、指数関数的な爆発的な成長をしているんです。定数を繰り返し足していくのではなくて、定数を掛け算することで繰り返し拡大ていくという伸び方です。

【グラフ2】その、指数関数的な成長の曲線が、ほとんど垂直になってしまったとき、それをシンギュラリティというんだそうです。このグラフは、2016年現在のグラフなので、当時からすると、今はもうシンギュラリティに突入しているのかもしれませんね。

【グラフ3】このグラフから、わかりやすく概念化できます。指数関数の曲線がほぼ垂直に近くなってしまったとき、それがシンギュラリティということ。

  私なりにイメージをグラフ化してみました。2023年~2029年にAIは人類の知能を超えると言われています。中には2027年だとする説もあります。

 

 では、シンギュラリティとは何か?

 それは、 AIがAIをつくりだす、AIが自己増殖する世界です。レイ・カーツワイルはこのように予言しています。「遺伝子学」と「ナノテクノロジー」「ロボット工学技術」が進化しながら融合し、人間の身体が根本的に進化する「人体2.0」が実現する可能性があるとしています。具体的には、食事で栄養を取る必要がなくなったり、血液をプログラムして感染症を治療するだけでなく癌も治したり、ナノロボットによって心臓や肺などの臓器が必要なくなるなどの予測をしています。

 では、人体2.0って何? その前にナノっていう単位について捉えておきましょう。ナノっていう単位は、1mの10億分の1の大きさです。分かりにくいので、イメージ的に比べてみると、地球とその10億分の1のビー玉という比較になります。

 血液をプログラムして感染症を治療する。癌も治る。ナノロボットによって心臓や肺などの臓器が必要なくなる。こんなイメージですかね?【イメージ画像1】ナノの世界はこんな感じのサイズ感ですかね?

 好中球やマクロファージサイズのナノロボットが体内でこんなふうに機能しているってことですかね。

【イメージ画像2】ウイルスや細菌を破壊している様子でしょうか? 【イメージ画像3】ナノテクノロジーによって、体内で様々なたんぱく質が生成されたりするのでしょうか?あるいはナノロボットから抗体が生成されたりするんでしょうか?

 ナノテクノロジーが開く豊かで安心な医療が想定されますが、その一方で、インターネットウイルスやサイバーテロの問題や仮想通貨の詐欺などと同様に利便性―を追求するとリスクも発生するかもしれません。こんなことも考えられます。人間の脳の情報をすべてデータ化して、ダウンロードしたものを、アンドロイドにアップロードするってことも可能になるかもしれません。となると、私って何?っていう疑問が現れてしまいます。

【画像4】【画像5】現在のテクノロジーは、こんな感じですが、あと20年余りで本当にそんなレイ・カーツワイルが予言するような世界になるのでしょうか?実は、私はまだそんなイメージはなかなか持てません。大阪大学の石黒教授とイシグロイド、それから、東京大学の稲見教授のサイボーグの研究、ここまで来てますが、本当に人体2.0の時代がもうすぐそこまで来ているのでしょうか?

 とはいえ確かに、顔認証はもとより、マイクロチップによる認証技術なんかはもう実用化されています。【画像6】これ見ると、なんか人体2.0に向かっている感じがしますね。ナノレベルの融合まではいってはいませんが。ミリレベルの融合かもしれませんね。現時点での人体と機械の融合の一例とは言えそうです。

 レイ・カーツワイルは、人間の想像を超越して社会が進化していくと予測しています。「先の見えにくい世の中」って言葉をよく聞きますが、この言葉でかたづけることはできない時期になっているのでしょうか。私が参加した講演会や研究発表会などで、「もはや人類はルビコン川を渡ってしまった。」とか「もはやテクノロジーの発展に抗うことは不可能」、「不可逆的で、後戻りはもうできない。」という学者・研究者の言説をよく耳にします。そして、一様に私たちは「覚悟が必要な時代に突入している。」と言います。ほうっておくと、AIに人間は知性を奪われるかもしれません。という声もあります。今の社会には、溢れるフェイク動画やフェイク情報、それゆえ、正しい情報を精査して選択する力が必要です。正しいリテラシーの獲得をしなければなりません。

  これらのことから、私たちは学ばなければならないわけです。10年後、20年後の世界を想像しながら、自分の理想や夢が叶うように、後で悔いの残ることがないように、今は精一杯勉強しましょう。

 彼の予測は6割程度しか当たってないという人もいます。でも、6割程度は当たっていると考えると . . . 。シンギュラリティに備え、勉強しておきましょう。どんな時代になっても、どんな世界になっても、しなやかに生き抜く力を身につけましょう。

 君たちの学力がシンギュラリティになることを期待しています。

  

 今日はレイ・カーツワイルのシンギュラリティ論を題材にお話ししました。自分の将来を見据え、この夏を計画的に過ごして、来るべき時代に備え、しっかり勉強してください。そして新学期に元気にまたお会いしましょう。

 

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第三十九回入学式 校長式辞

 桜満開の今日、この佳き日に、PTA会長鹿倉麻由美様をはじめ、御来賓の皆様、並びに新入生の保護者の皆様のご臨席を賜り、埼玉県立大宮光陵高等学校第三十九回入学式を盛大に挙行できますこと、この上ない喜びであり、皆様に厚く御礼申し上げます。   ただ今、入学を許可いたしました354名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。在校生、教職員一同、心から皆さんを歓迎いたします。  また、保護者の皆様におかれましては、お子様のご入学、本日は誠におめでとうございます。学校を代表して、心からお慶び申し上げます。 これからの三年間、本校教職員一同お子様の成長を支えてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  さて、もとより本校は、普通科、音楽科、美術科、書道科の四学科を有し、さらに国際理解教育にも力を注ぐ、全国を見渡しても類のない特色を持った学校です。  昭和六十一年の開校以来、今年度で創立三十九年を迎え、一万三千名を超える卒業生を輩出してきました。本日入学された新入生の皆さんが、二年生になる来年は、四十周年という節目を迎えます。これまで本校が重ねた年月の歩みと輝かしい実績は、もはや伝統として脈々と次世代へと引き継がれて久しくなりました。   ところで、なぜ人は学校で学ぶのでしょうか。それは、 人は誰も一人では生きることができない生き物だからです。人類は集団で社会生活することによって、物事に意味を見出し、それに名前を付け、言語を発達させました。相互に共有可能なこの言語は、さらに人の意識を構造化し、脳を発達させて、お互いに考え方や思いを交換し合えるようになりました。そして、集団の中でお互いを認め合い、支え合うことによって、この地球で生き残ることができ、今日の繁栄があります。  生まれてすぐの人間は、ほっておかれたら自然界で生きていくことはできません。  しかし、他の生物の多くは、誕生と同時にある程度の自立性があります。生まれたばかりの鹿の子は、すぐに立ち上がり、走れなければ、他の動物にすぐさま捕食されてしまします。  一方、生まれたばかりのときは無防備な人は、長い年月をかけて、多くの人々とそれを取り巻く環境の中で、様々なことと関わり合いながら脳を発達させて成長します。ここが他の生物と大きく異なるところで、人間独自の生き残りの戦略だったといわれています。  新入生の皆さん。あなたがこの世に生まれてから、今ある健康な体と意識や思考を獲得するために、多くの人々の支えと、関わり合いがありました。愛情を持って育ててくれる家族の支援と関わりと、かけがえのない友人達との関係性によって、言語の経験を重ねて意味を知り、思考を構造化し、文化を享受し、コミュニティの中で育まれ、今ここにある自分がかたちづくられています。 学校は、同じ価値や意味を共有し合う同世代の多くの仲間と関わり合い、同じ方向性に向かって若い情熱を燃やしながら、共に成長し合うコミュニティであり、また、社会に出るまでの甘いモラトリアムとも言えます。 喜びであれ、悲しみであれ、学校での生涯忘れることのできない記憶の一つ一つは、この先の自己形成においても、大きな影響を与えることでしょう。そこに学校で学ぶという意味があるのだと、私は思います。  大宮光陵高校は、全国にも稀な、他にない多様な学びを展開しています。豊かな情操を養うには、きっと最高のステージとなるでしょう。    そこで新入生の皆さんに、私から二つお願いがあります。  一つに、まずは自分自身を大切にし、そして同じ様に友達も大切にすることです。かけがえのない他者によってかたちづくられて、自分が生かされていることを謙虚に知って、各学科を超えて仲間たちをリスペクトし、多様性を享受してください。  集団の中に、個性が際立つ多様なキャラクターが存在することで、全体に一つの美しいハーモニーが生まれるものと私は思います。  もう一つは、やりたいこと思ったことは、少し背伸びしてでも挑戦してみてください。自分にはまだ無理かな。と、思ったことも果敢に挑みましょう。やってみて失敗しても、失敗から見えてくるものがあり、そこに必ず学びがあります。少し背伸びしてやってみたことが成功したとき、その背伸びの分が成長の証なのだと私は思います。   本校の校訓は「自立・協調・創造」です。自らの主体性と体力・精神力を確保し、多様な価値を認め、新しい意味を生成する前衛としての気概を持ち、顔を上げてまっすぐ前を向いて、力強く学校生活を送ってください。  改めまして、保護者の皆様、お子様のご入学、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。 今日の日を迎えられ、感慨もひとしおのことと存じます。これまで注いでこられた皆様の愛情にはとても及ぶものではございませんが、私ども教職員は、全力でお子様の成長を見つめ、支え、伸ばす指導に努めます。なにとぞ、本校の教育活動へのご理解とご協力をお願い申し上げます。   ときに、若さ未熟さゆえに、手助けも必要なときがあるとは思いますが、お子様を信じ、成長を見守っていただけたらとお願いいたします。本校での三年間のお子様の成長の様子を、ご一緒に楽しんでいいただけたらと存じます。  結びに、ご来賓の皆様方並びにご列席の皆様のます ますのご健勝と、新入生の輝かしい未来を祈念して、校長の式辞といたします。     令和六年四月八日         埼玉県立大宮光陵高等学校長   矼  秀年
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第1学期始業式 校長の話

 皆さんおはよございます。新年度となりました。これから、皆さんは新たなことを学び、学校行事に、部活動にと、今年一年に期待しているところと思うます。ぜひ、何事にもチャレンジ精神で取り組んで、自分自身を高めてくれたらと思います。

 さて、今日はこの場で、先週まで私が特別支援学校の校長を勤めていたことから、そこで私が学んだことを紹介したいと思います。

 一つに、何歳になっても謙虚に学ぶことは大事だなあと思ったことと、多様な人々が手を取り合って生きることができる社会を実現するための考え方、についてです。賢明な光陵生のことだから、すでに知っていることかもしれませんが聞いてください。

 特別支援学校に通う児童生徒には、見えなかったり、聞きこえなかったり、また逆に聞こえすぎてパニックになってしまう子などもいます。大きくなっても幼い心のままの知的障害もあり、私はその知的障害のある子どもたちが通う学校に勤めていました。 

 そこで校長として、この子達一人一人をなんとかしてあげたいなぁなどと思ったりしましたが、その考え方が誤りだったことを知りました。

  どういうことかというと、障害とは、社会にあるバリアやハードルという意味であって、「障害は個人に宿るものではなく、社会に宿っている。」と、いうことを学んだからです。

 簡単にいうと、障害のある人にとっては生活しにくい社会を、私も含めて障害のない人たちが勝手につくってしまっているということです。

  このことをこの年になってやっと学びました。目から鱗が落ちましたが、本当に遅すぎたと実感しました。と、同時に、何歳になっても学ぶことが大事だとも謙虚に思いました。それゆえに、今日もまた何かを学び取とってやろうと構えています。

 皆さんは、今日から新しい出会いがあり、新しい友人ができたりもするでしょう。

 また、新しい環境に不安を持っている人も少なからずいるかも知れません。度合いの差はあれ、生きにくさを感じてる人はいませんか?

 そんな人を思い気遣ってくれるのが光陵生だと私は知っています。

  そこで皆さんにお願いがあります。まずは光陵で共に学ぶ仲間を大切にして、相手を気遣い、いたわる心を忘れずに、よい関係性を結んで過ごしてください。今年が、皆さんにとって、思い出に残るよい一年になることを願っています。

  それから、後ろにちらっと看板が見えていますが、今日は午後、入学式があります。

 期待に胸を膨らませたそれはそれは可愛い新入生たちがやって来ます。先輩として歓迎してあげてください。おもてなししてくれたらなおよいと思います。

 そして光陵がいかに素晴らしい学校であるかを、爽やかな先輩たちの様子を、徹底的に見せつけちゃってください。

 よろしくお願いします。以上になります。

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